キター!!!その2○○裕二じゃなくてスズメ蜂じゃなくて東北の蜂と蜂屋さん。
毎年この季節になると、寒い東北からこの暖かい南房総に越冬の為にミツバチがやって来ます。晩秋から初冬にかけ続々と大きなトラックに蜂箱を積みやって来ます。
青森・岩手・秋田・山形・福島など冬場は雪積もるサム~い北国から冬場にも花が咲く柔かい陽射しの南房総や館山に。父も青森県人で若い頃から蜂を連れ館山に訪れ始めたのです。
寒さに敏感な昆虫であるミツバチ達は、冬場を暖かい地で過ごし、春になるとサクラ前線を追いかけるように北上し、また東北の地に帰ってゆきます。
東北の蜂屋さん達はこちらに来ると「今年もヨロス(シ)ク」と皆さん顔を見せに寄ってくれます。皆さんとっても味のあるキャラクター揃いで、この時期当養蜂園は東北弁と東北ジョークが飛び交っています。
(私も子供の頃は蜂と共に青森まで家族中で移動し春夏は滞在していましたのでバリバリ・ネイティブ東北弁がしゃべれました。トチ蜜(トチという木の花の蜜)を採る時などは十和田の山にテントを張り、アドベンチャーファミリーのように過ごしていました。)
石川啄木の「ふるさとの訛りなつかし停車場の人混みの中にそを聞きにゆく」という歌さながら、この時期当養蜂園は東北の蜂屋さん達の拠り所・蜂屋ステーションのようになっています。
今年は蜜が入ったとか入らなかったとか、蜂の出来が良いとか悪いとか、その他諸々、ミツバチを育てる者同士話は∞(無限大)。生き物を育て、自然に大きく左右される養蜂は、色々な意味で近年難しさを増していますので、皆で毎年・毎シーズン色々勉強し合っています。
学問をして学んだものが自分のものとなる事は喜ばしい。学び続けていると、同学同志の友が近くの者だけでなく遠方よりも訪ね来て、共に語らい切磋琢磨し、人生の輪が広がりこんなに楽しい事はない。学び続ける事は人生最大の楽しみの一つである。学問が成就した事を世間が認めなくとも嘆く事はない。人も天も怨まず、ひたすら道を求めて楽しむ人を君子というのだから。
孔子先生のおっしゃるように蜂屋として「君子」になれるかな???
晩秋から初冬にかけては、冬を迎へる為の蜂の世話をしなくてはいけないのですが、「秋の陽は釣瓶落とし」の如くとても陽が短く、山仕事は日暮れとの闘いでした。山仕事からの帰り道はもうほの暗く、夜の闇に入る前の少しの間、房総の山の端にとっても深いオレンジ色の夕陽が映え、影絵のようなシルエットが秋の物寂しさと共にジーンと美しいです。
師走に入り初冬の南房総は長らく咲いていたセイタカアワダチ草がやっと咲き終わり、ビワの花が今年はとっても早く(早い木は10月の下旬から)咲き始め、ビワ蜜の何とも言えぬ甘い良い香りを漂わせています。