<咲き満ちてこぼるる花もなかりけり>高浜虚子が詠んだような桜満開の房総となっています。都心部より若干遅い感じですね。桜の花も蜜をふきミツバチが飛んで行きます。見事なたくさんの桜を見ると、その美しさに見惚れ、そのうちに「ああ此処に蜂の巣箱をおけたらいいのに」と蜂屋さんの性が……..。京都の醍醐寺に秀吉公がたくさんの桜を植えたように、房総のどこかの山にたくさん桜を植えられたらミツバチも私も幸せなんだけど無理かな?桜いっぱいの山をお持ちの方ぜひご一報を!
巣箱を開け蜂の世話をしている時に急に風が吹くと、山の中でいち早く咲いている山桜の花の花びらがハラハラと巣箱の中に舞い降りてきてくれて可愛らしいです。<花の命は短くて…………..>だけれども、綺麗に咲けたよサクラさん。
寒さと雨の多かった3月から4月に入り房総の山は春色に染まってきています。お花の彩りはもちろんですが、緑の色が変わってきます。初々しい緑というか、木々の新芽や若葉や雑草の柔らかな緑色が柔らかな陽射しと共に蜂場に訪れる春の初めのカラーです。
そしてウグイスが鳴きキブシが咲くと春本番到来を実感します。一人で孤独に山の中で仕事をしていても、それぞれの蜂場にそれぞれのウグイスが鳴いてくれて、一人じゃない感じがして嬉しいです。「ホーホケキョ、ケキョ、ケキョ、ケキョ」と上手に泣くウグイスと、聞いていて、ちょっとコケちゃいそうになるまだ上手に鳴けないウグイスもいたりして。家の庭の梅の木にもウグイスが来てくれますが、山ではウグイスの鳴き声が山に響いていってとってもいいんですよ。
春らしく気温が上がり晴天で蜜をふく花(蜜源植物みつげんしょくぶつ)が咲いている時は、蜂はとっても機嫌が良く、「人なんて刺してる暇ないわ(働き蜂はみんなメスなんです)」とセッセと働きに飛んでいって、反対に曇天でこれから雨が降りだしそうなんて空模様怪しくなってきたり、蜜をふくお花がなくて流蜜(りゅうみつ)が止まりお腹を空かしている時は、蜂のご機嫌最悪で、もの凄く荒っぽくなり“刺すモード”全開でビシバシ向かってきます。春はそんな繰り返しの中で山仕事をしています。
長年願い続けるとあきらめかけた時に叶う夢ってあるんですね。昨年の3月はウチのすぐそばにある母校安房高校(あわこうこう)がセンバツ高校野球大会に、まさかの初出場まさかの初勝利で、甲子園で応援できて最高でした。なにしろ106年か107年かかって、やっと出場できたので地元もOBも大変盛り上がり、スクールカラーの紫に染まったアルプススタンドの応援は素晴らしく、応援の賞をもらう程でした。私もその紫のひとかけらでした。
OBである<X JAPAN>のYOSHIKIさんも桁違いの協力をして下さって、さすがYOSHIKIさん中身も美形!
桜のボリュームある華やかな美しさも良いですが、山仕事の途中ふと気付く足元にヒッソリとうす紫に咲く野スミレの花にも心惹かれます。
<菫(すみれ)ほどな小さき人に生まれたし>夏目漱石
NHK3ch大好き人間の私が日曜日の朝シャキーンと出来ずにボーッと見ていた俳句の番組が教えてくれた句です。漱石ってそういう人だったんだとチョット心にきました。
だいぶ前のNHKニュースに出てきたサラリーマン川柳というのにもドキッとしました。
<篤姫に仕切らせたいな国会を>玲子命 たしかそういう川柳だったと思います。私と同じ名前のその玲子命さんの玲子さんに便乗させてもらって胸がドッキンとしました。<命>というのはインパクト大の意味深い漢字一文字ですね。もちろん私の事ではないけれど一瞬ドキッとさせてくれたNHKニュースと玲子命さんありがとう!ウーン、一票入れたかった!
4月1日は何かと“新しい”の始まり。サクラ サクとなり入学式に行ってきました。春のクラクラする忙しさから一日抜け出して、最後の入学式は私の子育て卒業式と。無宗教の私にもソフィアの入学式には“祈り”を感じ感動的でした。ひと言で言うのは難しいけど、<~英知を磨きfor others(フォーアザーズ)世の為人の為になれる人に~>という御祝辞。これからは自分の人生自分で切り開いていってね、出来ればセンス良く!
世界一と云える程に親離れしてしまっていて更に巣立ってしまい淋しいものがありますが、反対に人生の主要任務果たした解放感と人生のリセットボタン押したい気持ちも沸々と…….。蜂を育てる“いきものがかり”はまだ続きますが。
乾杯のグラスワインにほろ酔いで一人歩く帰り路、雨上がりのキャンパスに沿い咲くみずみずしい美しさの桜の花は、少しだけの暖かさをあらわすような淡いピンクのやさしい春色。