寒さの中にもぷっくらと可憐に咲いてくれる蝋梅(ロウバイ)に思わず顔を近付けると、とてもよい香り、目を瞑りしばしウットリ。静かで暖かなお正月を迎えられました。
Bonne Année!遅ればせながら新年明けましておめでとうございます。
こちらでは年末に吹き荒れた強風が大晦日の午後から弱くなり不思議なほど夕方にはピタッと止みました。こちらが風の時に、東北の蜂屋さんから電話があると北国では雪だそうです。
風はちょっと悪者ですが良い事もあり、フワフワモコモコの雲を全部流してくれるので、海の向こうに富士山がとてもきれいに見えるようになります。
海からの強い西風は房州名物ですが、クリスマス前頃から、これでもかこれでもかと連日吹き続け、まるで一年間の忘れてしまいたい事や、してしまった事をみーんな「痛いの痛いの飛んでけー!」と吹き飛ばし、無かった事にでもしてくれそうな勢いで。
私の反省も恥ずかしかった事も全部飛ばしてくれたかもしれません。(と、思っちゃおう)
風もおさまり、当方のお隣の八幡宮では“紅白歌合戦”が終わった頃から初詣の人で賑わいました。地元の太鼓を演奏するグループが迫力あるカッコイイ演奏してくれたりします。すぐお隣のパワースポットなのにお参りしてない私。
その八幡宮の秋の祭礼の時に頂いた手拭いを頭に被り、気合いを入れて張りきって採蜜(さいみつ)しているのは母です。
<蜂屋の女房>の母は採蜜が大好きです。なんだかショボショボしてても採蜜となると急にイキイキしてきます。やっぱり蜂屋さんにとって蜜が入ってくれて蜜を絞る時は最高に幸せを感じるんですね。冬の12月に来て蜜が採れるなんて尚更です。
昨シーズンは×なシーズンで一応ビワの花は咲きましたが、花の数が少なく、そういう時はその咲いてる花に蜜のふき方も悪く香りもあまりなく、ビワ蜜は不作でした。夏の長雨のせいのようでした。
10月の下旬頃に一番早くに咲き始める枇杷畑に着き車を降りるとフワーと良い香りがして、「今年は沢山咲いてくれそうな……..」と何だかワクワクしました。ので、蜂達の好調さをキープする為の手入れをしつつ、ビワ蜜を集めさせる為に巣箱の中を調整し、ビワ蜜用の巣を入れたりとずっと頑張りましたので、私も超嬉しい!
よくお米を収穫するのに八十八の手間がかかると云いますが、いまどき蜂蜜を採るのには語呂合わせではないけれど、八十三の手間ひま掛かるなと思ってしまいます。
その昔は蜜源のお花が豊富でミツバチを取り巻く環境も良く、自然と蜜も良く採れたようですが、現在では、蜜源も減少しミツバチの生きずらい事が多くなり、本当に手間ひま掛かります。
(日本の領土を自国の領土と主張してしまうクレイジーな国々ではまだまだ野蛮なところがあり、日本では到底認められない怖い物を使い、手間ひまを省き農業をしてしまっているようですので、本当に口に入れる物は気を付けた方が良いと思います)
その頑張りの甲斐があり(昨年も期待を込め作業しましたが少ししか入りませんでした)今シーズンは大流蜜(だいりゅうみつ)となっています。12月21日には巣箱からビワ蜜たっぷり溜まった蜜巣を引き揚げてきて第1回目の採蜜作業をしました。巣箱の中で蜂達に大事にされていた蜜巣はミツバチ達の温もりであったかーいんですよ。
幸いな事に、気象予報が、「10月下旬から11月中旬の陽気でしょう」と伝えて下さるように、とっても穏やかに暖かな12月であったので、その天候と、お花の豊作と、ミツバチの良い働きぶりとが全てうまく合致してくれてスバラシー蜜が採れました。<感謝・感激!>アメアラレ!
長年の当養蜂園の歴史の中でも自画自賛できる、味良し・色良し・香り良しの素晴らしいビワ蜜です。絶品を超えた<べっぴんビワ蜜>とでも言いたいような最高に美味しく綺麗な蜜が採れました。しかも<幻のハチミツ>と言う人もいる位とても希少価値の高いビワの蜜です。
蜜巣のミツロウの蓋を包丁で切って削ぎ落す作業が次から次で、私の右手が腱鞘炎になりそうですが、こればかりはどんなに時代が進んでも手作業するしかなく、ひたすらやっています。
遠心分離機にその蜜蓋削いだ蜜巣を入れグルグル回しはじめるとビワ蜜が飛び散りとても良い香りがします。クリスマスも大晦日も彩蜜していました。働き過ぎ!また胸のボタンがピコピコ点滅してきた感じです。すんごく疲れちゃった時には「ファルちゃん疲れちゃったよ」とファルコンをギューッと抱きしめるとファルコンは暫く我慢しててくれます。
そのビワのお花の写真を撮っているのは玉川大学農学部の佐々木教授です。新年1月6日朝日新聞の記者さんと来訪されました。小石川植物園の御血筋という、“世が世ならお殿様”との感じを受ける方ですが、植物の視点からとミツバチなどの昆虫の視点からの両方にお詳しい佐々木教授ならではの「蜂から見た花の世界」という素晴らしい本を出され、今回はその本と環境についてのお話をからめた記事が1月半ばに朝日新聞に掲載されるようです。こう御期待!
数時間の間でしたが、植物がどういう戦略で昆虫を呼び込もうとしているのかとか、ミツバチやお花に関するお話させて頂き勉強になり楽しい時間でした。
玉川大学にはミツバチ化学研究所があります。1月9日の3連休の真ん中の日に玉川大学で<ミツバチ科学研究会>があり、またまたミツバチの生命を脅かす“アカリンダニ”というミチバチの体内に入り込んでしまう厄介者が外国から入って来てしまったようで、その勉強の為、講師にみえられる名古屋大学のK教授のお話を聴かなくてはと出掛けたのでした。新宿からもうちょっと近いといいな、羽があれば飛んでいけるのに・・・・・・。
11月29日には東北地方から暖かいこちらに訪れる“越冬ミツバチ”の様子を伝えるNHKニュースにチョコットだけ登場。朝から地元の記者さんが取材され正午のニュースから夜まで何回かニュースに登場しました。夜7時のニュース7(セブン)の最後にもミツバチ達が映し出され、「上手に冬を越して、また春から元気に働いてね!」と武田真一アナウンサーが言って下さり、母と一緒に、「なんて上手に言って下さるんでしょう、本当に蜂達が元気に春を迎えられそうだね」と感謝・感激!したのでした。私のぶっきらぼうの言い方とは全然違いスバラシー、天皇陛下もアナウンサーの事を褒められていましたね。
天皇陛下といえば、館山市の<ふるさと大使>になって下さっている<さかなクン>が絶滅したとされる<クニマス>を発見され、陛下のお誕生日会見で功績を讃えられていました。やったね、さかなクン!!!長年のご努力や、これまた素晴らしいさかなクンを育て上げられたお母様の長年の応援あっての事と、当方皆で感激!カンギョキ!でした。
ミツバチ越冬の様子は新聞社も沢山取材にみえて、翌日11月30日の朝刊に載りました。朝日・読売・毎日・・・・・・と合計7紙で写真付きで紹介して下さいました。なかでもY新聞に載った写真は私のアゴのラインがより強調されアントニオ猪木?のようになってしまっていて(ごめんなさい猪木さんは熱きハートの素晴らしい方です)当養蜂園のお店の人たちと掲載紙を見ながら、「キャー、Y新聞全部回収しなくちゃ」と笑いましたが写真は正直に実物を写し、ミツバチの引き立て役なのでしょうがなし。
ミツバチの越冬の様子を見守るように記事にして下さり感謝です。
館山市の<ふるさと大使>になって下さっている方のお一人で、チャンチャカ・チャカチャカ・チャンチャンチャーンとテーマソングの名曲にのってNHKのお料理番組にも登場される川上文代さんのレストラン<デリス・ド・キュイエール>に12月17日行ってきました。高校生の頃仲良しだったSちゃんから○十年振りにFAXが届き、同窓生で忘年会をやるので・・・・というお誘い。「Sちゃんにずーっと会いたかったので行きます」と返事をし渋谷駅のモアイ像の前19時15分皆と待ち合わせ。
美味しいお料理とシャンパンと懐かしい面々とのタイムスリップしたかのような楽しい幸せなひと時でした。お寺の御住職あり、ドクターあり、チョットやんちゃだった人は社長さんになりと色んな人生となっています。まるで誰だかわからない人もいて、その人が席をはずした時に「ねーねーあの人誰だっけ?」と訊いたりして。
Sちゃんとは高校の午後の授業を抜け出して<風と共に去りぬ>の映画を観に行き(先生ゴメンナサイ)、映画を観終わって映画館を出た時、「ひふみさんてメラニーみたいな人ね」と誰も信じてくれないような事を言ってくれて嬉しかったのを私は憶えているけれど彼女は忘れてるだろうな。横浜のお嬢様学校に進学した彼女にユーミンの歌に出てくる<ドルフィン>に連れて行ってもらってソーダ水を頼んだかどうかは忘れてしまいましたが、春の鎌倉に行ったり、箱根<彫刻の森美術館>に行ったり色々思い出がよみがえりました。
川上文代先生はとっても清潔感溢れるお優しい方でお忙しい時間帯なのに何度も顔を出して下さり、最後お店先でお別れしていると房総から新鮮な食材を積んだバンの車が到着しました。川上先生のお料理教室に通いたくなった私。初夢か?!?
年末年始の忙しさからやっと解放され私の休日となった1月12日川上先生がNHKの朝の番組<あさイチ>に出演され美味しそうなお料理の実演と館山の事もPRして下さっていました。
憧れの鈴木京香さん見たさに見ていた暮れにやっていたドラマを主人公の京香サマになりきって(思いっきりガチョーン!)毎回その展開を楽しみにしていた視聴者の一人でしたが、最後は<男は滅び女は栄える>と凄い結末でした。できれば両方栄えて欲しいですね。
ミツバチのオスである雄蜂(ゆうほう)は女王蜂とのハネムーンでその役目を果たすと即絶命してしまうそうです。それはミツバチ社会の事ですが何だかドラマと重なって思えてしまいました。
それにしても京香サマのようなステキ美女なら有り得る夢のようなラブストーリー。
ドラマの舞台である編集室の机にあった<甘いミツバチ>という本がやけに気になり、実在するなら読んでみたいですね。
そしてミツバチに関する事が有りそうだと見てしまった<爆問学問>という番組で、東大の先生によると、ミツバチは1秒間に250回羽ばたき1秒間に300回の羽ばたきを視る事のできる素晴らしい動体視力をもっているとの興味深いミツバチの能力の高さのお話に驚きました。スゴ技をもたらすスゴい能力がまだまだいっぱいミツバチには有りそうですね。
勉強不足でウサギとカメのお話でいえばのろまなカメの私ですがそんな能力高いミツバチ達の生や働きを全うさせられるよう今年もがんばりましょう。何よりもミツバチに感謝しながら。
凸凹で細い山道だけど<中央フリーウェイ>を口ずさみながら山仕事始まりました。
<出会いは財産>と誰かが言っていたけれど今年はどんな事や物や人に出会えるでしょうか。いっぱい感謝していっぱい感激できる年になりますように!
こちら南房総のこのところの強い冷え込みにもサザンカはずっと綺麗に咲いてくれていてミツバチや蜂屋さんには心強い感じです。
山茶花の花言葉は………………<ひたむきに愛します>
皆様の新しい一年の旅立ちにボンボヤージュ!