小雨が霧のように白くけむる山あいにアジサイが美しく映える梅雨らしいシーズンでした。そろそろ梅雨明けでしょうか。
ミツバチは雨の合い間を縫うように飛んでいっています。
「よく降るなぁー」と何度言った事でしょうか、雨の多さに今年ほど春になるかならない内からずっと雨合羽を着て仕事をしている年もないようです。ホントに何で雨ばっかり?温暖化や環境破壊に地球がシクシク泣いているようにさえ思えます。このところの集中豪雨も、お天気予報によれば<活発な梅雨前線>のせいでしょうが、私には<地球の号泣?>と感じられてしまいます。
被害にあわれた地方の方は大変です。当方の蜂場にもちょっとした土砂崩れが。崖の近くに蜂箱を置き過ぎ、とプチ反省!まさかこんなに崩れてくるとは……….。
この時期になると春先から増やし続けている蜂群に新しい女王蜂が続々誕生してきています。巣箱の中の一枚一枚の巣を引きあげて新女王の姿を確認するとすごく嬉しくなります。糸のように白く細い何ミリかの小さな小さな卵が六角形の巣穴に産みつけられていると、ハネムーンに成功した一人前の女王がいる事がわかりますが、その姿を目で見て確認したくなります。新女王にかぎらず、女王蜂の姿を見るたび「ウーン、ナイスバディー!」と思います。せかせか働いている働き蜂いっぱいの中を女王蜂はなんとも優雅に動き、ウェストがキュキュッと細く締まり、それに続く胴体も少し赤茶色にスッと伸びツヤツヤで色香さえ感じるような。
実際女王蜂は女王蜂特有のフェロモンをバンバン出していて、残念ながら鈍感な人間には感じられないのですが、そのフェロモンで仲間の蜂をひきつけているそうです。人間女子としては超羨ましい。例えば、花粉交配用にフェロモンを放つシートのようなものを入れ、何ヶ月か女王蜂なしの小さい蜂群を成り立たせる方法もあるくらいです。
ハチの仲間はみんな神が与えた、空を飛ぶ為の・蜜を集める為の素晴らしいスタイルをしていますね。マリリンモンローもいいけれど私が目指すは<クイーンビー・バディー>、春バテ解消と食べまくっていた人の発言!?!がちょーん!
気温の上昇と共にミツバチパワーもグングン上昇しています。ハチ達は数を増してきて、蜜源(みつげん)のお花さえあれば、たくさんハチがいればいるほど蜜を集めてきます。上の写真のように薄いシート状の巣楚(すそ)を巣枠に張った真新しい巣を入れてあげたものに、自ら分泌する蜜蝋(みつろう)で見事に六角形の巣を盛り上げ、その巣に、この雨の多い中なのにこんなに綺麗に蜜をためてきています。
相変わらずのミツバチ達の<スゴ技>ぶりを発揮し見せつけられているようです。「バテてる場合じゃないでしょ!」と私に言っているよう……。「はい、頑張ります」
この夏もガンガンいきましょう!
バテりながらも頑張って私が大切に育てているハチを盗んでいくBAKAMONOがいます。なので仕事を終え蜂場を離れる時に必ずハチ箱の数を数えています。ひーふーみー・・・・・・・。盗まれたハチ達は元気かな、どこでどうしているのかな?
六角形といえばサッカーの映像によく登場し、蜂屋さんとしてはどうもハチの巣に見えてしまいます。あまりサッカーはじっくり見た事はなかったけれどサムライジャパンの“泥臭い必死さ”にひきつけられたのか南アフリカでのW杯は見てしまいました。足技もすごいけれど、サッカーって<空中の格闘技>みたいと思いました。ナイス・ラン!ナイス・ファイト!でしたね。
<南アフリカの歌>に対抗して<南ボーソーの歌>を歌いたい私。(勝手にどうぞ!)
今度は女子サッカーの<なでしこジャパン>にもとっても頑張ってほしいな。最初の<なでしこジャパン>の監督をされた方は子供の頃に何年か館山に住んでらした方で、館山での講演を聴きに行ったことがあります。とっても純朴な感じの方でした。 その元監督さんが日本のJリーグチーム在籍中、中田選手がイタリアリーグに始めて行く際チームからの付き添いとして同行したそうですが、反対にレストランなどでも中田選手がイタリア語ペラペラでオーダーしてくれたりと色々してくれてしまったそうです。Jリーグに入団する時からもう国際的な視野を持っていたプレイヤーだったそうです。
アフリカといえば素晴らしい女性がいらっしゃいます。美大を出られてからアートと建築の本場フランスに留学された建築家の方ですが、当方の子供が小さい頃一時期フランス語の先生をして下さっていた方で、その途中でJICA(ジャイカ)からの派遣でアフリカに学校を作りに行かれました。ところが任期中にそのアフリカの国でクーデターが起きてしまい(オララー!)車に白旗代わりに白い布を旗めかせ、クーデターの混乱を潜り抜け帰国されたのでした。
さぞ大変な事だったでしょうが、「おもしろかったですよ」との余裕のお言葉、器が違いますねー、日本のステキ女子!尊敬しちゃいますねー。
蜂屋さんオススメムービーその2・昆虫物語<みつばちハッチ>~勇気のメロディー~
≪この夏話題の泣ける名作感動アニメ≫と宣伝中です。映画<おくりびと>の脚本家小山薫堂さんが総合プロデュースされています。7/31より全国ロードショー。TVアニメのハッチをリアルタイムで見ていた方も初めての方も是非ご覧ください。日本養蜂はちみつ協会大オススメ!
暑くなってくると、なんとなく海に行きたくなります。多忙さもあり自粛ムードの当方のこの頃でもあり遠出は控え、ウチのすぐ下の海岸へ。館山で一番に自慢できるのはこの海かもしれません。久しぶりの海に喜び興奮のファルコンにグイグイ引っぱられ、古いジーパンをジョキジョキ短く切り、素足にサンダルのそれなりビーチスタイルで。
嬉しさ極まりハイになっちゃってるファルコンは帰り道は静かですが静かにしていられなくて私と一緒に歌うんです。とても歌にはなっていませんが一本調子で。変な一人と一犬です。ビーチボーイズもキマグレンもとっても好きですが、真夏直前のまだ人気のない砂浜に、広い水平線の向こうから吹いてくる少し強い海風に、ザザザー・ザザザーと寄せては返す波音に浮かんでくるのは、♪♪海は広いなー大きいなー♪♪と心懐かしいやさしい歌。
山ばかり行っている日々ですが、子供の頃に夏休みになると毎日のように泳いでいた海は、いつ訪れても「久しぶり、元気だった?」と大きく包んでくれるようでなんだかほっとします。
海上には<白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ>と若山牧水が詠んだような白鳥がゆっくり飛び、私の孤独感が重なり、しばし見つめ佇んでいました。
「バンザーイ!」が「お手上げー!」になりませんように!
バッチを着けてからも頑張ってホシーノ