投稿者「蜂や玲子」のアーカイブ

14.<お・や・す・み>

たくさんのお花と、父に心を寄せて下さるたくさんの方の泪に葬られ旅立ちました。
39度5分の発熱で救急車で病院へ、まさか逝ってしまうとは思っていませんでしたが入院5日目の10月6日早朝力尽きました。
「アワダチ草が咲いてきたから、もうすぐ蜂屋さん達が来るからね、がんばってね。」と励ますと、「おう」と応えてくれていましたが・・・・・・・・・・・・。訃報に遠方から蜂屋さん達が駆けつけて下さいました。
ミツバチを愛し、蜂屋さんの心配をし、“男のロマン”追い求めた一つの人生完結しました。

これからは風に乗り、大好きだった蜂達のいる山に飛んで行く事でしょう。
父の肉体は亡くなりましたが、不思議といなくなった気がしません。ニコッとしてどこかにいるような気がします。
(自分の親ながら)美少年であった頃からの純粋できれいな“少年の心”を持ち続けた人であったように思います。その養蜂への思いと情熱をみんなで引き継いで行きます。とってもとってもお疲れさま、お・や・す・み。そして、ありがとう。

少しだけ心細い今年のMy Birthdayに 10.21 れいこ(ブログしばらくお休みいたします)

地元紙10月10日付 房日新聞記事

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13.<不覚にも>

秋の七草の萩の花が咲き、虫の音運ぶ涼しい夜風、すっかり秋です。陽の暮れが急に早くなり、ぐずぐず仕事をしている私はお月さまを眺めながら帰ってきます。
ほのかな優しい月明かりに風情を感じる季節。

ミツバチは天候不順のこの夏のダメージを引きずり、こんなに手間隙かかる年って今までになく、“大忙し”続いています。頑張ってもなかなか成果のでないトホホな状況。ちびまるこちゃんの額にタテ筋がかかっているような心境。

夏の終わりから秋にかけての季節の変わり目は順調な年でも蜂の手入れは難しいのですが、今年は特に気を配っています。一昨年北海道の蜂を全滅させたとも言われる程の恐ろしい、ミツバチに寄生し死滅させるダニがいます。これにとりつかれると次々に巣箱から巣箱に移っていき本当に全滅しかねません。夏の終わりからしっかり対策しないといけません。
蜂屋さんとしては、この世からいなくなってほしいのは、このしつこく厄介者のダニです。ウチの愛犬の持ち芸(持ちギャグ?)のように「こりゃまた失礼いたしました、ガチョーン!」と消え去ってほしい。

8月の千葉県養蜂協会の会議に出席しましたが、今年の養蜂状況の悪さもあり、会長さんが会議が終ってからポロッと、「日本も4・5年するとアメリカのように蜂がいなくなっちゃうんだってよ。」と言われて、「えっ」と思いましたが、この養蜂を取り巻く状況の悪さからすると、あながち嘘とも言えず深刻になってきました。
9月の中旬にフランスで開催される養蜂国際会議に参加したかったのですが、この時期今年はそれどころではなく断念、ザンネン!
私の愛情に応えて蜂達元気モリモリ盛り返してね!

ミツバチはいつもより元気がないのですが、スズメ蜂は今年も獰猛です。それぞれの蜂場でミツバチ襲撃中です。スズメ蜂の天敵見つからず、今のところ“私だけ”と“スズメ蜂VS私”のスゴイ事になっていますが、なんと、不覚にもスズメ蜂に刺されてしまった。
スズメ蜂には絶対刺されない自信アリの20年来の私の自信がガラガラと……..。運動神経の鈍りか、とは思いたくない。すぐにズッキンズッキン痛み出し、背後から襲うとは卑怯者と思いながら、これは病院へ行かなければと急ぎシャワーを浴び病院へ。
「吐き気はしませんか?大丈夫ですか?」とお医者さま、「ワー、すごく赤くなってますよ」と看護師さん、海苔一帖分位もある大きなガーゼに薬を塗りペタッと左臀部に貼られたのでした。「夜に熱が出ませんか?」「化膿止め出しますから大丈夫です」と。ウー情けない、黒いズボンをはいていた私がいけなかった、油断大敵!
今年はついてない。7月には“はがち”に指先を刺されてしまって物凄い痛さで、スズメ蜂の何倍も痛く、しかも長引いて。ちょっと早いけど私の今年を表す漢字は<痛>。年末までには<痛快>にチェンジできるかな?

蜂屋さんなのでミツバチには刺され慣れていますし、痛いのは痛いのですが、ミツバチに刺されても、もうあんまり腫れたりしません。民間療法ですが<蜂針療法>といって、中国の針治療のようなミツバチの毒針を使ってツボに刺していく治療法があります。
自分がミツバチが好きでこの仕事を始めた訳ではなく、父の手助けをしてきたのですがミツバチは苦手でした。アウトドアー派ではなくインドアー派ですし。ホントにずっとミツバチの世話をし続けていても刺される度に嫌でした。
ところがある日仕事中にまたミツバチに刺された時、「私の具合の悪い所を刺してくれてるみたい」と思ったのでした。(例えば、肩とか膝とか指とかを)不覚にもそれは私がミツバチを“嫌い”から“好き”に変わった瞬間でした。そう思うという事は、“ちょっといい奴”かもとミツバチに愛情持っているんだと気付き、それがなければ今蜂屋さんをやっていなかったでしょう。

スズメ蜂には初黒星を付けられ、仕事はうまく廻らずマイナス思考になり、眠りずらい時には気分転換に夜のドライブ。地球に優しい地球分の1のヒトになりましょう、とは思ったけれど、たまにはドライブもしたく、この辺りの海岸線を一巡り。車窓を開け少し潮の香のする夜風を受けながら“ネガティブ”を飛ばしていきます。お供をしてくれたのはCrystal Kayちゃんの最新盤のポップなメロディーと歌声。

忙しいとは言いながら月に1度のカルチャー講座にもしっかり出かけました。半年で1クールの講座で最後の月は京都へのフィールドワークがあり、フィールドワークってまぁ”大人の遠足“みたいなものです。なんと“京都へ日帰り”しちゃうフィールドワーク。<和の空間>というその講座は“日本庭園”を学んでいるんですが(しぶいですね)、元気印のおじさまおばさま方と素晴らしい講師の方と共に<枯山水>などのお庭を鑑賞。(講座の中頃には東京都内の庭園へのフィールドワークもあります)今回は二条城と東福寺。とっても良かったです。冬に少し雪の積もった感じも見てみたいなぁーと思いました。
日本庭園から宇宙や哲学を感じられるようになれるでしょうか。ただただ癒されるだけでOKですが。

「9月初めのの京都はとても暑いです」との講師の先生のお話しでしたが夕方には涼しい位の京都でした。いつもながらご熱心な解説をして下さった先生と、現実忘れさせてくれた素晴らしい1日に感謝!
たまには自分にお土産と、その扇面の歌に魅かれて手にしたのは帯にさす小さなお扇子。
<花の色はうつりにけりないたづらに我が身世にふるながめせしまに>小野小町

こちらでは稲刈りの終った田んぼの畦道に彼岸花が鮮やかに赤く咲き始めました。とっぷりと夜がくれるとピーヒャラピーヒャラ秋祭りへの練習の竹笛や太鼓の音が流れてきます。
神様からの最大の贈り物は<誰にも明日の事はわからない事>だと聞いた事があります、明日はちょっとだけ良い日になるかも!

<星に願いを>という程のロマンティックな事でもなく、私の仕事を見ていたお月様が、「蜂達が元気になりますように」という私の願いに、「心配ない大丈夫だよ」と優しく微笑み返してくれたような………….美しい月の夜。

9.17 れいこ

    山に黒い服は禁物です!!!

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12.<ドキドキシーズン!>

梅雨明けの喜びも束の間、7月は青空の恋しい日々でした。そんな日が続き。蜂はピーンチ!南房総の夏、晴れてさえいれば蜂は何かしら蜜を運んできて、蜂の家族はどんどん増え続け、そんな様子を見ながら巣を足してあげるのが私の夏の仕事です。が、今年は雨降りの日が多くて“夏らしさ”が来ず、反対にエサをあげたりする始末でなんだか大忙し!お日様のありがたみをしみじみ感じます。(お日様に干したふっかふっかのお布団にも眠りたいのに)

毎年夏を経験してるはずなのに、夏ってこんなに暑かったっけって思う位、例年こちらの暑さは厳しく、昨年も酷暑で、ウチの駄犬の(むこうは駄飼い主と思っている)ファルちゃんも(3回に1回は<ファルのすけ>と呼ばれているんです)ハァーハァーしてグダーッとのびていましたが、今年はラクそうで普通にしています。
それに比べて蜂は寒さには弱いけど暑さにはめっぽう強く、昨夏の酷暑もなんのその、元気いっぱい、たーくさんの蜜を集めてくれましたので蜂屋さんとしては良い夏でしたが、今夏は×な年で蜂屋さんにとってはサムーいサマーです。

蜂不足という事で、勝手に使命感に燃えた私が、この春、来る日も来る日も蜂を増やし続け、当養蜂園益々たーくさんの蜂群となり、そのまま順調に夏を迎えるはずだったのに。悪天候の為、思うように蜜も入らず、蜂の家族も増えず、そういう弱群は菌に侵され易いので、色々世話をして元気をキープしていく必要があり、夏らしくないお仕事増えてる状況。
このところ地震はたくさん起こるし何だか変な夏です。やっぱり自然が変。ずっと騒がれているミツバチがいなくなってしまう現象も、ミツバチが自然界の危機を知らせる警報機になって、「このままじゃ地球が危ないよ、危ないぞ、危ないぜー。」と人間に教えてくれているように思います。

7/18、てるてるぼうずさんの計らいで<ap bank fes ‘09>初日はちょうど良い曇り空でした。
集まった何万の人々と全国からのボランティアの皆さんのエコな意識や行動は、気持ち良いほどに徹底していて素晴らしく、また人々をそれに導く人気ミュージシャンの面々も尊敬!
“環境”については様々な識者の方々の提言・活動ありますので、私が申しあげるまでもありませんが、結局”環境“だけでなく、自分のした事は自分に返ってくるのかな。ちょっと不便だけど地球に優しい人になりましょうと、改めて思いました。
櫻井さんが歌ってくれた、清志郎さんの<スロー・バラード>にジンジン痺れた感が体に残りながら、帰りの新幹線に乗り込みました。
今、気になるのはETC割引が始まってから週末もお盆も、こちらの方へ、物凄いたくさんの車なのでCO2が………….。

夏になり、あの方に会ってしまうと私のドキドキが始まります。こんな陽気でも元気なのは雑草です。むしろ雨が多いので草刈りをしてもすぐ伸びてしまうような。手がまわらず草刈り作業を後回しにしている蜂場では巣箱が隠れるほどになります。汗ダラダラの草刈りは夏の厳しい単純作業です。「雑草さん参りました、降参です、ご勘弁を」と言いますから伸びないで!
それを怠るとあの方に会ってしまいます。今夏も7月の終わりについに………。
巣箱のフタを開け世話をし終わると、立て掛けておいたフタを手に取り閉めるわけですが、そのフタの内側にニョロニョロした細長い生き物がへばり付いていました。ちょっとシマシマの。
「キャー」とも「ギャー」との声もでず、「ウッ」と息をのみ、バスケで鍛えた俊足(と自分だけ思っている)が瞬間反応しフタを放し一目散に逃げる。音もたてずにいるのでホントびっくりするしゾーッとする。そうすると私のドキドキ.ビクビクしながらの山仕事になります。たぶんニョロニョロした生き物さんの方が私にビックリしているのでしょうが。どうもダメです。木の枝が落ちていてもそれに見えてしまってギョッとしたりして。もっとステキな事でドキドキしたいものです。早く冬眠どうぞ!

また違う生き物にも会いました、ハクビシン。梨畑のすぐそばにある蜂場が1ヶ所あります。そこに仕事に行ったら、その梨農家のご主人が見慣れない檻と道に立っていました。私が何だろうと車を止めそばに行ってみると罠にかかったハクビシンが。「こんにちは、何か掴まったまったんですか?」と訊くと、ニコッとして、そのご主人が「掴まったんだよ。これは梨が大好きでみーんな食べちゃうんだよ。」(いつも通りすがりに挨拶しても無反応の方の笑顔初めて見ました。)南房総では結構梨が栽培されていて、だいぶハクビシンの被害にあっているそう。たぶんその畑の梨は蜂が花粉交配したとてもおいしい梨なんでしょう。でも、そのハクビシンはとっても可愛らしい顔をしていて、その名のように鼻筋が白くて、その顔は逃げようとして檻の鉄格子で傷だらけで、無言ながら私に「助けて!」と訴えているようで可哀想になってしまいました。

拝見させて頂きましたNHK「ふるさと一番!」南房総から2連発!
少女マンガから抜け出て来たような永遠の美少女的な女優さん、いとうまい子さんと、益々絶好調!でカッコよろしい澗随操司(かんずいそうし)アナウンサーとの、日本のお昼の顔の名(迷?)コンビ、お二人のステキな笑顔で紹介して下さいました。
初日は<房州うちわ>。おばあちゃん子だった私としては祖母のお着物を張ってもらって、うちわを作りたくなりました。うちわ作りの方は、大好きだったその祖母系の親戚の方のようです。
房総には“竹の文化”がありますね。尺八とか竹籠などなど。鴨川市在住のネプチューンさんは外国人ながら尺八を演奏する方で、モダンな演奏素晴らしいです。
「ふるさと一番!」では日本の伝統の技を持つ様々な素晴らしい職人さんを紹介して下さって、日曜美術館にも負けないカンジ!でいいですね。
2日目は<千倉のアワビ>。「今日は23分アワビ1本勝負!」とのちょっとドキドキな嬉しいオープニング。これぞ日本のキャリアウーマンとでも云うべき迫力の海女さん達。パワフルですね。これまた他人とは思えない一二三さんと云う海女さんが登場されて嬉しい感じ。“アワビのみそ焼き”美味しそうだった、食べたーい!
地元が紹介されると嬉しいですね、皆様お疲れ様でした。

以前にも紹介した「チェンジメーカー」というTV番組は残念ながら最終回でしたが、“へちま”の種一粒から女性に経済力をもたらすといういいお話でした。来年はへちまの種を蒔きエコスポンジを作ってみよう!
そんなへちまの種のようなラブリーな種を人知れず世の中に一粒蒔き、人知れず土に還っていけたら○の人生かな。

毎年夏の山仕事は、いったい山の中に何匹蝉がいるんだろうと思う位に降り注ぐ蝉時雨の大音量の中で仕事をしていますが、今年は静かな蝉時雨ですね。ちょっと淋しい感じですし、もう秋の気配を感じます。ので早くもスズメ蜂が襲ってきています。
こんな風に集中攻撃してくるんです、対策間に合わなくて殺されてしまった蜂達ごめんね。

稲穂も頭(こうべ)を垂れてきました、よく働くというかよく動くのですぐお腹が空きます。何といっても白いご飯おいしいですよね。ご飯をいっぱい食べれば空腹は満たされますが、私の心を満たしてくれるのは何だろう?虚しさ埋めるもの探して一生が過ぎてしまいそうです。

南房総では今あちらこちらに白百合が咲いています。白い清楚な趣で。蜂場の山にも当方の庭にも自然に種が飛んで自然に増えて咲いてくれます。毎年お盆や終戦記念日の頃に合わせて咲いてくれるような気がします。

沖縄を最初訪れた夏、その美しい自然に感激し、それと同時に、こんな美しい所で戦争の悲劇が……….と思いました。この赤面ブログを更に赤く染めそうな下手な句で恥ずかしいですが、愚かな歴史の中で命を絶たざるをえなかった尊い命への鎮魂の気持ちをめいっぱい込めて
<ちゅらさんの 悲しき涙か 透き通る海> 玲子

8.16 れいこ

ひふみ養蜂園HPにフランス語版できました。
pur la page Française cliquer içi.

Merci à Martine.
(Tous nos remerciements à Madame Martine Iijima pour sa contribution.)

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11.<哀しき者それは・・・・・>

「ヤッホー!秋田の山です」房総の山とはスケールが違います。ドッシリと懐深い大きな山々です。毎年6月の1ヶ月間は秋田県小坂町のアカシアの花咲く山に蜂の巣箱を置かせて頂きます。

秋田県北東部十和田湖に面した風光明媚な小坂町は“アカシア香る町”です。人口6400人程の町に300万本以上のアカシアが咲き“かおり風景100選”に選定されているそうです。かつては日本三大鉱山の一つとして栄え秋田市に次ぐ県内第二の都市で、日本最古の芝居小屋「康楽館」(現在も興行中)などの建築も残されています。

が、足尾銅山同様小坂鉱山も煙害により美林が枯れ山が荒廃し、その植生回復の為に大規模にニセアカシアが植えられ、それから50年が経ち山々は緑に包まれアカシア咲き誇る、蜂屋さん憧れの地となっています。

今年はアカシアの花は良く咲いてくれたのですが気温が上がらず蜂が思うように働けず豊作の期待を裏切り蜂屋さん達のご機嫌はイマイチ!自然相手の仕事は何年やっていてもなかなか難しいんです。低温の為東北のサクランボも不作だそう。子供の頃のように、木になっているサクランボを食べられておいしかった、幸せ!

“みちのく”は本当に道の奥の奥です。お昼の12時頃館山を出発して十和田に着いたのは夜中の12時10分前でした。東北自動車道を走っても走っても、カラオケボックスと化した車で歌っても歌ってもなかなか着きません。夜になると霧が出てきてしまいスピードは抑え気味。翌朝も十和田湖は真っ白い霧に覆われて現世ではないようなすごく幻想的なカッコいい雰囲気。
でも霧は恐ろしいです。4年前の悪夢のような出来事が甦る。蜂屋さんがちょっとゆっくりできる冬の年明け1月、ニューヨーク経由でカナダのモントリオールに向う時、霧の悪天候のお陰でニューヨーク・ケネディー空港に2晩も足止めとなりました。
乗り継ぎだけなのに、ケネディー空港の9.11のテロ事件以降のすんごく厳しいチェックの大行列の後、やっと次の飛行機のはずが霧の為飛ばない。
時間を決めて飛ぶか飛ばないかのお知らせがあるので日中はずっと待合室で待機していなくてはいけなくて、イライラした乗客はどんどん溜まり続け、結局2日間も待つはめとなりました。ニューヨークに2泊もするのならメトロポリタン美術館とかセントラルパークとか行きたかった。“みちのく”も遠いけどあの冬のモントリオールはとっても遠かった。しかもロストバゲージのおまけつき。オーマイゴット!!!それに懲りて1ヶ月後の帰路はバンクーバー経由にしてスイスイ。

六月の十和田湖周辺の目に美しい新緑の中豊かに流れる奥入瀬の水流と水音、生まれたての酸素いっぱいの新鮮で清涼な空気の中に佇んでいると、心も体もまるで細胞ごとスッキリとリフレッシュさせてもらえるようです。紅葉のシーズンはもちろん素晴らしいですが新緑の奥入瀬いいですよ!

梅雨らしく雨の多かった今年の梅雨。蜂たちはそろそろ貯めておいた蜜がなくなってきています。エサが切れると何が起こるかというと、雄峰(ゆうほう)と呼ばれるオス蜂が巣箱の外に追いやられます。エサ切れが良く解るサインは巣箱の入り口付近にオス蜂の死骸が出ている状態です。
ミツバチ社会の中で働く働きバチはメスで、オスは働かず女王バチとハネムーンに飛ぶ役目だけですので<働かざるもの…………>で最初にはじかれます。そういう巣箱を観察していると、何匹かの働きバチに1匹のオスバチが追い出されていて何度も何度も巣箱に入ろうとしても入れてもらえません。哀しき存在のオス蜂。(人間男子もご注意を!)

ある集まりで蟹瀬誠一氏と少しだけお話させて頂きました。国際ジャーナリストでありテレビのキャスターをされたり明治大学国際日本学部長でもあられます。若々しくダンディーでいらして、とても気さくにユーモアを交えてのお話上手で、その会でも大人気。ご婦人方との次から次の写真撮影のお願いにも「もちろんです。」と、とても感じ良く応じて下さる。内容あるお話と共に、素晴らしい方でした。外国に行った時などにサッとさりげなくレディーファーストでドアーを開けて頂いた時のような、日本人離れした垢抜けた感覚をお持ちの(なんて私が言うのもおこがましいですが)さすが国際日本学部長さん!色んな意味でプロフェッショナルな感じを受けました。プロフェッショナルな方にお会いすると何か嬉しいんですね。
私の「東京にお住まいなんですか?」とのたわいもない質問に、「軽井沢と六本木なんです。」とのアメイジングなお答え。そんな事言ってみたい。お嬢さんは美人バレリーナでハリウッド女優を目指されていらして、今、ハリウッド女優への道が開けるLUXのオーディションの最終選考に残られています、インターネットから私も1票入れさせて頂きました。素晴らしいご一家。

ヤッホー!関東地方の梅雨が明けました。良かったねハチ達。房総では今、花粉がいっぱいのヒマワリと、蜜のあるクローバーにハチが飛んでいっています。ある蜂場に毎年、四葉のクローバーがたくさんの秘密の場所があるんです。幸せになれるかな?

さあ、夏の高校野球のシーズンとなりました。地元の安房高校VS長狭高校(鴨川)の袖ヶ浦球場での地方大会1回戦は、1回戦目なのに甲子園なみの応援の盛り上がりでした。チャンスにヒットが続き安房高校が5対1で快勝してとってもおもしろかったです。野球は大人気。なのに、剣道部は関東大会を制し、大阪でのインターハイへ出場するのにあまり盛り上がっていない、ガンバレ安房高剣道部!

房総はこの時期、田園風景が美しいです。春に植えられた稲の背丈が伸びてきて田んぼは緑の海のようです。“青田波”という季語があるように、風が吹くと緑の海に稲が波打って流れていくようで爽やかな清々しい美しさです。

1日だけですがap bank fes‘09に行って“環境”について勉強してきます、楽しみながら。
てるてるぼうずさんヨロシクね!

7.15 れいこ

Heal the world、A.S.A.P.だよねMICHAEL!
       超クールなダンスと純粋なハート忘れないよ

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10.<ハニーケアー>

日に日に鮮やかさを増すあじさい美しき房総となっています。
今年は雨っぽい日が多く、あじさいがルンルンしてるように見えます。雨不足の年にはお花も葉っぱもカラカラパサパサに萎れてしまいますが、今年はとってもキレイ。淡い緑色に淡い色が射し始める感じが好きだなぁー。

アジアを実感するこのムシムシする湿度高い季節。ハチはいくら美しくてもあじさいには目もくれず、栗の木と、とうじの木に飛んで行っています。栗の花はむせるような強い甘い香りを放っています。栗の花によく似たとうじ(地元の人達はこう呼んでいますが正式な名前はなんだろう、椎の木かな?)は房総にたくさんあってこの時期に蜜の入る、数を増したハチ達を元気にしてくれるありがたい木です。ドングリのような実がなります。とにかくミツバチは蜜次第なんです。自然の蜜の恵みが何よりハチを元気にし活躍させてくれます。
人間は何次第?愛・夢・健康・努力・それとも経済力?自身の心次第??

4月5月の分蜂シーズンは少し落ち着いてきましたがまだまだ油断できません。蜂屋さん達は分蜂熱(ぶんぽうねつ)起こしてると云います。人間が素敵な人と出会いカチッと恋愛スイッチが入って恋の微熱状態が続くように、ハチも分蜂熱を持ってしまうとどうにも抑えられません。
その春先からの生命力溢れる勢いの良い時期に新しい女王蜂を誕生させて新しい群を作るのも蜂屋さんの毎年大事な仕事です。“生き物”なので、いつ何が起こるかわかりませんし、働き蜂が何週間何ヶ月の寿命に比べれば女王蜂は何年も生きますが、段々と産卵能力が衰えてくるので新しい王と群を増やしておく必要があります。
同じ卵でも働き蜂は21日間かかって誕生しますが、ローヤルゼリーを大量に与えられた女王蜂は14日で誕生します。新女王が誕生しお天気の良い日に上空でハネムーンに成功すると一人前の女王蜂となり産卵を始めます。

この写真のように与えた巣板だけでは足りなくなって、その脇に天然巣(てんねんず)を作っていれば一目瞭然完成した一群となっています。ハチは働き者の早業で一晩でこういう天然巣を作ってしまうんですよ。メジャーも、ものさしもないのにキッチリカッチリ見事に自ら蜜蝋を分泌して作ってしまう素晴らしい建築家だといつも感心します。芸術的だし!しかも、その六角形には意味があって面積を無駄にせず有効に使い、上から押されても壊れない強度があり、ハニカム構造と云われ人間界の建築にも応用されています。

サザエの貝殻に蜜蝋を溶かしてキャンドルを作りました。煤の出ないほのかに甘い香りのする癒し系キャンドルです。

竹の子の生命力もスゴイです。
震度4とか強い地震があったりすると心配になり蜂の巣箱が倒れていないか見に行きますが、地震で倒れた事は今までにありませんが、毎年巣箱を倒してしまうのは“竹の子”。こんな小さい細い竹の子の上に伸びよう伸びようとする力が巣箱を倒します。この写真よりも、もっと二段重ねの重たい巣箱も倒してしまうので驚きます。

5月に蜂場に現れたのはタヌキ。
仕事の途中に急に雨が降り出し、私の足元をダダダッと何か物体が走って行った。わりと大きかった。何だろうと思っていると2分後位にその走り去った者が来たのと同じ方向からタヌキが。そのタヌキさん私と目が合ってしまい立ちすくむ。きっと夫婦狸で片われを追って来たのでしょう。でも私を見て「ヤバイ!」と思ったそのタヌキはUターンして戻って行ってしまいました。その2分後位に最初に足元を走り去ったタヌキが、元来た方へまたまた私の足元をすんごいスピードで走って行きました。狸さんたち仲いいです。

6月3日の深夜素晴らしいTV番組を見ました。
自営業は何だかたまにお休みがあっても何かしら仕事が入ってしまいダラダラと毎日仕事になってしまい休めないので、月に一度何処かへ消える日を作っています。東京の某大学で、ある日本文化のカルチャー講座を受けていて、全てを忘れる日にしていますが、その日も受講してから急いで銀座で用事を済ませ、帰宅してちょっと休んでいたのに、うたた寝してしまって気がつくと日付けが変わっていて点けっぱなしになってしまっていたテレビ画面に素晴らしいお話が展開していました。
「チェンジメーカー」というNHKの番組で<ハニーケアー・アフリカ>というアフリカのケニアで、養蜂の力で貧しい農民が経済力を持ち子供達の夢まで叶えているという素晴らしいお話。ただ援助するのではなく、生き生きと尊厳を持って働ける自立した農民に導いていく取り組みに感銘を受けました。
世界は広い、悲惨な出来事もありますが、素晴らしい人がいて素晴らしい事が起きているんですね。アフリカ・ケニアのその活動している素晴らしい青年が教えてくれた格言が、「人に魚をあげれば1日で食べてしまうが、魚の捕り方を教えれば一生食べていかれる」。トレ・トレ・トレビアン!!!
私が真似してできるとしたら<ハニーケアー・ガールズ>かな!NHKさんありがとうです。

房総はもう夏めいてきて仕事をし始めるとほどなく汗がツーッと体を流れ落ちていきます。すごく疲れた後とすごく緊張した後になぜかシュワシュワしたのみ物が飲みたくなります。ペリエとか天然炭酸水をそのままでも良いですが、ハチミツとレモンなど柑橘類をギュッと絞って入れるとおいしいです。レシピとまでいかないレシピかな。
レシピとまでいかないレシピとしては、果物を(なんでもバナナとかリンゴとかちょっと傷みかけの物でもOK)を適当に切って、フライパンでバターとかオリーブオイルとかで炒めてハチミツかけるだけ、シナモンパウダーをプラスしてもいいですね。(それも面倒な方はレンジでチンしてハチミツかけるだけ)
どんなパンでもバゲットでもクリームチーズを塗ってその上にハチミツを塗るだけ。バターにハチミツは定番でおいしいですが、クリームチーズとハチミツは私のとってもオススメ。蒸し暑さに体調くずしやすいこの時期、爽やかな甘さどうぞ召し上がれ!

6.16 れいこ

父の蜂ひげ写真が表紙の<房総マガジン>という雑誌が発売されました。中ほどに私のインタビューも載っています。
小さいお子様がいらっしゃる方でしたらワンダーランド4月号にもウチの蜂達が登場しています。

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9. <春の力>

爽やかな南風が心地良く感じる五月。アカシアの花が咲きました。少し赤っぽいのは<ニセアカシア>で、普通の白いニセアカシアよりも、より蜜をふいてくれます。メジロも蜜を吸いに来て、そのお返しに可愛らしい上手なさえずりを聞かせてくれています。

仕事中、視線を感じ振り返ると、「ウッソー、な・な・何?」蜂場に現れる者で一番驚くのは“人間”!見知らぬおじさんが。冷静を装いこわばる笑顔で、「こんにちは」、すると「ハチ大丈夫?ハチがいなくなっちゃうんだってね。」と警戒心まるで必要なかった御心配のお言葉。「大丈夫です、ウチはハチがいっぱいいるんですよ、ありがとうございます。」と私。少し離れた畑からわざわざ来てくれたらしい。

このところのハチ不足の報道のお陰で皆さんが心配して下さる。会う方会う方に「ハチ大丈夫?」と言われています。当店を訪れるお客様も口々に「ハチ大丈夫ですか?大変なんですよね。」と。こんなにミツバチの存在価値を認めて心配してもらえるなんて“ちょっと幸せ”。縁の下の力持ちが表舞台に出られたような。ミツバチの花粉交配の働きが大きく言うと農業や食を支えています。他の昆虫も花粉交配しますが、ミツバチの体の大きさとか働きの良さが他の昆虫よりも優れていて美味・美形の実を結実させます。

当方のハチもモテモテで、イチゴ・マンゴー・梨・ブルーベリー・メロン・スイカとあちらこちらに出張しています。「しっかり働いてね!」と一声かけて送り出しています。

ハチ不足をよそに、当養蜂園もウチのお仲間のプロ中のプロ・筋金入りの(たぶん両腕とハートの辺りに)蜂屋さん達はビクともしていない。むしろ春になりどんどんハチが増えて仕事に追いまくられている。テレビやら新聞やらメディアの方々から沢山の問い合わせがありますが、「ウチは蜂がいっぱいいるんですよ、益々増えてます。」とお答えするとガッカリされます。

ゴールデンウィークの連休に入る前には東北から越冬に来ていた蜂屋さん達が続々とバタバタと蜂と共に帰って行きました。蜂の巣箱満載の大きなトラックが走り出し、車窓を開け、あったかーい東北訛で「お世話になりました、どうも。」とペコリと頭を下げ。山田洋次監督の映画のワンシーンのようでホロッとしました。こちらこそお世話になりました、秋にまた待っています。

春は分蜂(ぶんぽう)シーズンです。一箱の巣箱の中に蜂が増え過ぎると、働き蜂達はもう一匹女王蜂を誕生させて、すると古い方の女王蜂は後進に道を譲るように仲間を連れその巣箱を飛び出し、この写真のように、新しい棲家がみつかるまで木の枝などに固まってぶる下がっています。

蜂屋さんとしては分蜂されてしまうのは恥ずかしいので、私も必死で世話をしていますがなにしろ蜂群が多いので完全には抑えられず、「ちょっと待ってよ春パワー」と言いたい位。現実は“一時停止”してくれないので春は大変。スキニージーンズはただのゆったりジーンズに成り下がり、日々の宿題は溜まり続け、まずは自分を救わなくては。

自分の蜂ながら弱々しい情けない蜂でもグングン素晴らしい群になっていって春の力って凄いなぁーって毎年思うんです。夏にも秋にも感じられない、植物や動物に生命力を与える自然の持つ大きな春の力。地球の中心からの太陽からの大自然のリズムとダイナミックな力をミツバチを通じて感じます。
人間にも青春と云われる時代があり、それもやはり止めようのない若い色々なパワーが漲っているんですよね。今も青春?だいぶ無理がある。ガチョーン!!!

ハチ不足の原因でもあるCCD(群れ崩壊症)はコロンビア大学でも研究されていますが未だ未解明。ハチに変身して聞いてみないとわからなそう。カフカの「変身」という小説は主人公が虫に変身してしまうお話ですが、私も一日だけハチに変身して聞いてみたい事はいっぱいある。色々謎が解けるとすんごく仕事がやり易いんだけどな。

しかしカフカの小説は私にはよくわからない物だった。カフカはフカカイ!不可解な事は世の中にいっぱいある。“家族愛”を前面に出しながら爆弾を落とし子供の命まで奪ってしまう大きな国、と批判しながら何もできない自分。心冷えきり、どうしようもない辛さから逃れたいのに酔わせても温めてもくれないお酒。
先日放送された<アド街ック天国>も少しだけ不可解。21位で登場した当養蜂園のナレーションは誤解を呼びそうなので放送されてしまったのに、ですが訂正させて下さい。東北から来ている養蜂家はこちらでは蜜は採りません、越冬するだけです。(うるさすぎ?かな)でも、30秒足らずの映像でしたが、菜の花満開の当養蜂場はとってもキレイで皆さんに誉められました。入りたての菜の花の蜜は黄金色に輝いてキレイでした。ありがとうございました。

あそこに登場した蜂は私がお姫様状態に特に大事にしているセイヨウミツバチ(養蜂家が飼っているのはほとんどがセイヨウミツバチ)の中でも、ゴールデン種という黄金色でお姫様のように楚々として大人しく、しかも良く働いて“いい仕事”をしてくれる自慢の蜂なんです。もしご覧になった方がいて、あの蜂キレイと思った方がいたら“ミツバチ通!”(そんなの有り?)

飛行機がよく飛んでいく空が拡がっている蜂場が1ヶ所あります。次次仕事をこなし下ばかり見ていたのに、疲れて腰を伸ばしながらフーッと天を仰ぐとスッキリとした青空にぼんやりとした飛行機雲が。“ひこうき雲”をみるとユーミンの歌と共に美しきまま逝った友を思う。中学・高校とクラスメートだった。誰に媚びるでもなく聡明で大人っぽい考えのできる人で、美しい少女から美しい女性となり、同性からも好かれる素晴らしい人だったのに、あの夏、鶴のマークの制服と共に航跡に消えてしまった。

教室で勉強にも熱が入らず、間違って覚えた歌詞でユーミンの歌を「雨音に気付いて早く起きた朝は……..」と下手に歌っていると、「遅く起きた朝だよ」優しい笑顔でいつも直してくれたのをずっと覚えている。いまだにお母さまにお会いすると、こちらが泣いてしまってはいけないのに涙止まらなくなり申し訳なくなる。勉強不足を天に見透かされているように、懸命に生きているのに毎日恥を重ねて過ごしているこんな私の生き様を、空から見て美しいまま笑ってるだろうな。私などより生きてほしかったのに。あの夜のニュースの衝撃は未だに尾を引いていて消えない。

フランスでは5月1日に愛する人の幸せを願いスズランの花束を贈るそう。そんなステキな事は起こりそうもないので自分で調達。だーい好きな可憐なスズランに今年も出会えて“ちょっと幸せ”(写真を撮りそびれてしまった)。行きたかったのに行けなかった憧れのスターのコンサートのDVDを見られて“ちょっと幸せ”。桜の名所にも行けなかったけど桜ヒラヒラの映像を見られて“ちょっと幸せ”。朝玄関を出るとジャスミンがフワッと良い香りに包んでくれて“ちょっと幸せ”。
「ちょっとの幸せを見つけて毎日生きているんだよ。」と五月の眩しい空を見上げた。

5.13  れいこ

  

~愛し合ってるかい?~と歌ってくれた心優しきロックンローラー
男前の生き方とメッセージありがとう!合掌。
レノンさんと「IMAZINE」歌えるね!
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8.<サクラ サク>

<咲き満ちてこぼるる花もなかりけり>高浜虚子が詠んだような桜満開の房総となっています。都心部より若干遅い感じですね。桜の花も蜜をふきミツバチが飛んで行きます。見事なたくさんの桜を見ると、その美しさに見惚れ、そのうちに「ああ此処に蜂の巣箱をおけたらいいのに」と蜂屋さんの性が……..。京都の醍醐寺に秀吉公がたくさんの桜を植えたように、房総のどこかの山にたくさん桜を植えられたらミツバチも私も幸せなんだけど無理かな?桜いっぱいの山をお持ちの方ぜひご一報を!

巣箱を開け蜂の世話をしている時に急に風が吹くと、山の中でいち早く咲いている山桜の花の花びらがハラハラと巣箱の中に舞い降りてきてくれて可愛らしいです。<花の命は短くて…………..>だけれども、綺麗に咲けたよサクラさん。

寒さと雨の多かった3月から4月に入り房総の山は春色に染まってきています。お花の彩りはもちろんですが、緑の色が変わってきます。初々しい緑というか、木々の新芽や若葉や雑草の柔らかな緑色が柔らかな陽射しと共に蜂場に訪れる春の初めのカラーです。

そしてウグイスが鳴きキブシが咲くと春本番到来を実感します。一人で孤独に山の中で仕事をしていても、それぞれの蜂場にそれぞれのウグイスが鳴いてくれて、一人じゃない感じがして嬉しいです。「ホーホケキョ、ケキョ、ケキョ、ケキョ」と上手に泣くウグイスと、聞いていて、ちょっとコケちゃいそうになるまだ上手に鳴けないウグイスもいたりして。家の庭の梅の木にもウグイスが来てくれますが、山ではウグイスの鳴き声が山に響いていってとってもいいんですよ。

春らしく気温が上がり晴天で蜜をふく花(蜜源植物みつげんしょくぶつ)が咲いている時は、蜂はとっても機嫌が良く、「人なんて刺してる暇ないわ(働き蜂はみんなメスなんです)」とセッセと働きに飛んでいって、反対に曇天でこれから雨が降りだしそうなんて空模様怪しくなってきたり、蜜をふくお花がなくて流蜜(りゅうみつ)が止まりお腹を空かしている時は、蜂のご機嫌最悪で、もの凄く荒っぽくなり“刺すモード”全開でビシバシ向かってきます。春はそんな繰り返しの中で山仕事をしています。

長年願い続けるとあきらめかけた時に叶う夢ってあるんですね。昨年の3月はウチのすぐそばにある母校安房高校(あわこうこう)がセンバツ高校野球大会に、まさかの初出場まさかの初勝利で、甲子園で応援できて最高でした。なにしろ106年か107年かかって、やっと出場できたので地元もOBも大変盛り上がり、スクールカラーの紫に染まったアルプススタンドの応援は素晴らしく、応援の賞をもらう程でした。私もその紫のひとかけらでした。
OBである<X JAPAN>のYOSHIKIさんも桁違いの協力をして下さって、さすがYOSHIKIさん中身も美形!

桜のボリュームある華やかな美しさも良いですが、山仕事の途中ふと気付く足元にヒッソリとうす紫に咲く野スミレの花にも心惹かれます。
<菫(すみれ)ほどな小さき人に生まれたし>夏目漱石
NHK3ch大好き人間の私が日曜日の朝シャキーンと出来ずにボーッと見ていた俳句の番組が教えてくれた句です。漱石ってそういう人だったんだとチョット心にきました。
だいぶ前のNHKニュースに出てきたサラリーマン川柳というのにもドキッとしました。
<篤姫に仕切らせたいな国会を>玲子命 たしかそういう川柳だったと思います。私と同じ名前のその玲子命さんの玲子さんに便乗させてもらって胸がドッキンとしました。<命>というのはインパクト大の意味深い漢字一文字ですね。もちろん私の事ではないけれど一瞬ドキッとさせてくれたNHKニュースと玲子命さんありがとう!ウーン、一票入れたかった!

4月1日は何かと“新しい”の始まり。サクラ サクとなり入学式に行ってきました。春のクラクラする忙しさから一日抜け出して、最後の入学式は私の子育て卒業式と。無宗教の私にもソフィアの入学式には“祈り”を感じ感動的でした。ひと言で言うのは難しいけど、<~英知を磨きfor others(フォーアザーズ)世の為人の為になれる人に~>という御祝辞。これからは自分の人生自分で切り開いていってね、出来ればセンス良く!
世界一と云える程に親離れしてしまっていて更に巣立ってしまい淋しいものがありますが、反対に人生の主要任務果たした解放感と人生のリセットボタン押したい気持ちも沸々と…….。蜂を育てる“いきものがかり”はまだ続きますが。

乾杯のグラスワインにほろ酔いで一人歩く帰り路、雨上がりのキャンパスに沿い咲くみずみずしい美しさの桜の花は、少しだけの暖かさをあらわすような淡いピンクのやさしい春色。

桜の花言葉は<あなたに微笑む>and<精神の美>
4.8  れいこ
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7. <渋谷で胸キュン、儚さに>

「フェイントかけないでよ」とハチが言ってるような。2月に入ってから暖かいあったかすぎの日が続き春一番・春二番の強風が吹き、2月なのに気温25度を超える夏日まであったのに、その後の寒さ。さすがにこちら館山や南房総では雪は降らず、鋸山(のこぎりやま)を境に雨になりますが、真冬の寒さになっています。昨年もそうでした。春が来たと思わせてからの寒波です。夏の暑さも秋までズルズルとずれこんで、秋があったのか、夏から冬になったような。日本の四季が乱れているのを感じます。寒さで菜の花の花は散らずにきれいです。

暖かくなってお花が咲き、春が来たと思ったハチ達は蜜を集め、女王蜂は産卵が活発になり巣箱の中でハチの数がどんどん増えていくのですが、増えた後に寒波が来ると、寒さでハチは巣箱の外に出られず蜜を集められず餓死してしまうので、この自然からのフェイントは困りものです。この何年間は季節のメリハリがなくなってきているのと、季節がずれてしまっているのを感じます。ミツバチもとまどいますが、蜂屋さんとしてもとまどいます。

前回はハチミツの宣伝が入ってしまい失礼しました。ついハチミツの良さを言いたくて、とエクスキューズ。現在日本で売られているハチミツの5パーセントしか国産の物はありませんが、年々採蜜量は減ってきているのでもっと少ないかもしれません。当養蜂園も毎日のように各方面からオファーを頂きますが、とても対応できるだけ採蜜できませんのでお断りしていますので、宣伝する必要もないくらいです。もし言って頂くままに対応できるくらいハチミツが採れたらアラブの石油王のようなセレブになれるかも!?!

バレンタインデーには…と.語りながら、悲しいかな、もはやドキドキする事などなく、私の事を相手にしてくれるのはウチの駄犬だけで(名前はファルコン・小学校に捨てられていた雑種・特技は「ひふみのハチミツ・ナンバー…」と言うと「ワン」と吠え、「こりゃまた失礼いたしました」と言うと“ガチョーン!”と前足を動かします。器量も悪いけど可愛いいんです)そんなファルちゃんしか相手にしてくれない淋しく退化した私のハートは地球規模のスケール大きなどでかい愛に会いに行きました。2月14日、ミツバチのように飛べないわたしは、働き蜂状態で疲れた体を引きずりながら、渋谷にある国連大学での「国境なき医師団」の講演会へ。

青山劇場の隣にある国際連合大学で国境なき医師団(MSF)日本事務局長エリック・ウアネス氏の<10の最も深刻な人道的危機>と題されたフランス出身のウアネス氏のきれいな英語でのお話と(もちろん通訳者付き)、リアルで悲惨な現状の映像。虚ろな眼差しの痩せ衰えた子供とその母親・傷んだ人々。儚い命に目頭熱くなり胸がキューンと痛みました。国境なき医師団のスタッフでさえ連れ去られ殺害されてしまう現状や戦闘下で医療援助さえできない国もあり罪もない人々が犠牲になっています。

政治・宗教・民族など難しい事は私には解りませんが一番大事な物って何でしょうか?あの子供たちの生まれてきた意味って何なんでしょうか?ミスチルの「GIFT」の桜井さんの詩にあるように「一番ひかってるものってなんだろう?」。私がこの世の中で一番好きな物は<笑顔>。あの子供たちに母親たちに心から微笑む日は来るのでしょうか。来てほしい。
ミツバチというたくさんの小さな命と向き合っている分生命に敏感なのかもしれません。

段々年を重ねると人の夢と書いて“はかない”ということが身に染みてわかる気がします。私の夢の一つにこの養蜂の力で飢餓や病気や暴力や貧困etc…….で苦しむ子供たちや少女や女性の力になれないかなぁーと、その術も解りませんが漠然と思っています。私の生ある内に実現するでしょうか。よく取材で「ミツバチが一生かかって集められる蜜はスプーン一杯です」と答えますが、その度に、はたして私は一生かかってどの位の仕事ができるんだろう、と思ってしまいます。私のその儚い夢に向かってまたお仕事がんばりましょう。

国連大学から渋谷駅へ歩く時、悲惨な現状の映像の残像とそんな世界のやりきれなさと自分の無力さ非力さに、おしゃれな若者で賑わう渋谷の街はモノクロームに映るようでした。

3.6  れいこ

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6. <バレンタインデーには・・・・・>

もうすぐバレンタインデーですね。いつからか日本の大行事。
いつも思ってるんです、ハチミツこそ究極の“スゥイーツ”と。
本当に愛する人には、チョコも良いけど、愛する人の体の為にとっても良いハチミツを!
ミツバチがあの小っちゃな体でセッセッとお花から運び一生懸命作ってくれた、愛がいっぱい・栄養いっぱい・ビタミンいっぱいのハチミツ。自然志向・健康志向の体に気遣う方には最適なプレゼントです。優しさが伝わりますよ。

英語圏の人々は、愛する人を、「ハニー」なんて照れずに呼んでますよね。(ちなみに私のフランス語の先生は、ダンナさまの事を「シェリー」と愛しそうに呼んでらっしゃいます)やはり愛の表現にはハニーが最適、バレンタインデーにはぜひハチミツを!(今回すごくコマーシャルバージョンになってしまっていますね)

「MY FUNNY VALENTINE(マイ ファニー ヴァレンタイン)」というジャズの曲、You make me smile with your heart(心から僕を和ませてくれる君)と歌っているチョットいい大人な曲ですが、「MY HONEY VALENTINE(マイ ハニー ヴァレンタイン)」となると(僕をとろけせてくれる君)ってところでしょうか?
今年は本物志向で、本物の愛が伝わるように、本命の彼・彼女には“ハニー バレンタイン”で!!!
メタボ気味の体型・体調気になる御上司様には義理チョコならぬ義理ハニーもいいかな。婚活中の方にもぜひぜひ。

♡ミツバチの愛から愛がいっぱい成就しますように♡ボン・クラージュ!

新年も1月は過ぎ去り、節分が過ぎ立春。房総では梅の花がほころび良いお香りを漂わせ、陽射しがとても明るくなってきているのを山仕事をしながら感じます。
春が一番乗りした蜂場ではもう菜の花が咲き、その甘い香りに誘われてミツバチが飛び交っています。でも、まだ寒い日と暖かい日が交互にやってきて、プロ野球のオープン戦的な感じかな。
いつも思っている事のもうひとつは、ミツバチは空が飛べていいなという事。私も色んな事から自由になりどこかへ飛んでいきたいな。どこへ?それは…….。

越冬の為にこちらに蜂を置いて東北の故郷へ帰っていた蜂屋さん達もそろそろ自分の蜂が心配になり、世話をしにまた訪れはじめています。まだあちらでは毎日雪が降っているそう。
昨年暮れからの天候に恵まれ、冬場に流蜜する有り難―いビワ蜜は今年は採れました。毎年流蜜してくれるとは限らない希少価値高い蜜です。濃厚な甘さが口の中に拡がり余韻が残るおいしい蜜なんです。
これから訪れる春もいっぱい蜜が入ってくれますように! 

2.6  れいこ

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5.<生中継23分1本勝負!>

キター!!! その3 ガンちゃんとNHKスタッフ。

ついに来ました、当養蜂場からNHK「ふるさと一番!」生中継本番当日。12月17日水曜日。
♪♪冷たい雨に打たれて・・・♪♪ ユーミンかハイファイセットの唄が聞こえてきそうな冷たい雨模様、前日から天気予報をチェックする度に悲しくなりました。朝とっても弱い私がAM3:30に目が覚めてしまい、そのまま眠れず朝を迎えました。こんなお天気でハチ達は大丈夫かぁーと心配しつつ。

AM9:00撮影現場である蜂場に全員集合。ナ・ナ・ナント、スタッフ40名、出演者を合わせると50名以上の人数が、いつものどかな蜂場に、ワイワイ・ガヤガヤ・ドタドタ・ドタドタ!晴れを想定して準備していたので、本番までの3時間は、番組の流れの変更や確認でアッという間に過ぎ、冷たい雨はなほも降り続き、ひふみ養蜂園始まって以来養蜂場からの放送としてはありえない悪天候のまま本番に突入しました。が、かえって、ありきたりではない養蜂の側面を紹介できたかもしれません。ウーン、このポジティブシンキング!

NHKお昼のニュースの後、12:20番組スタート。千葉県南房総の簡単な紹介の後、今日の案内役の方です、とワタクシ登場。
「お会いできて嬉しいです。ガンちゃんの野球解説大好きなんです。」と私。
「ありがとうございます。今日はハチの解説お願いします。」とガンちゃん。
「任せて下さい。」と私。というやりとりで始まり、
暖かい南房総ならではの初冬の12月に流蜜する珍しく貴重なビワ蜜の紹介。雨でも巣箱の中で働いているハチの様子の紹介。一匹のハチが一生働いて集められる蜜の量はスプーン一杯でしかない事とか、私にとってミツバチは尊敬すべき家族なんです。と、巣箱の中を見せながら紹介。それと忘れてならないのは、蜂の巣箱を置かせて頂いている地元の心暖かい地主さんへの「感謝の気持ち」を述べました。

ミツバチは雨に濡れたり、寒い外気で死んでしまうので、雨に当てないよう外気にさらす蜂をなるべく少なくするよう気を付けながら紹介させて頂きました。
番組の中ごろからは、東北(青森・秋田・岩手)から越冬に訪れている養蜂家の方々とひふみ養蜂園父の時代からの心の絆のお話や遠心分離器でのビワ蜜の採蜜の様子、採れたての今年初のおいしく貴重なビワ蜜をガンちゃんに食べてもらって「トレビアーン!」(とれたてだけに、トレビアン!?!セボンなビワ蜜です)
番組最後は、
「これからどういう風にがんばっていかれますか」と、澗隨アナ。
「春になってお花が咲くと、家族のようなミツバチと蜂屋さんが南房総飛びまわりますので宜しくお願いします。」と私。
「東北のみなさんも体に気を付けてがんばって下さい。今日はありがとうございました。」と澗隨アナで、12:23end。

生中継無事終了し(○十年生きてきて、こんなに短く感じる23分間はありませんでした)何とか務められた感でホッと嬉しく「ガンちゃんアレやって下さい!」と私がお願いし、アレとは三本〆。ヨォーッ,チャチャチャッ、チャチャチャッ、チャチャチャッチャ×3times。
出演者NHKスタッフのみ~んなニッコニコ笑顔で。
「お疲れ様でしたー。ありがとうございましたー。」と終える事ができました。ヨカッター!
「プロ野球のキャンプの打ち上げみたい」とガンちゃん。
番組のお話があった時、「来て下さるならガンちゃんがいいなぁー」と私の希望が叶いガンちゃんこと岩本勉さんが来て下さいました。
元プロ野球<日本ハムファイターズ>のエースピッチャー、現在は野球解説やホリプロのタレントさんとして活躍されています。本番前の準備の時から皆を笑わせてくれリラックスさせて下さる、思いやり溢れる素晴らしい方です。野球のボールを回転させるが如く頭の回転の速い、野球の素質だけでなく天性の素晴らしい物を持っている方で、野球界にガンちゃんがいるっていいですね。もちろん野球解説もグー!!!本番中も大いに盛り上げて頂きました。感謝です。

澗隨操司(かんずいそうし)アナウンサーにもとっても感謝です。
目元に聡明さの現れるお優しい方にしてモデルさんのようにスタイル良くスタイリッシュ!褒め過ぎ?いえ、さすが天下のNHKアナウンサー品格あるステキな方です。養蜂の事を一生懸命理解しようとして下さった真摯な紳士で本番中大変フォローして頂きました。プロフェッショナルで素晴らしい。

そして何よりも嬉しかったのは、うちのハチミツをキラッキラッ宝石よりも美しく、うちのミツバチのうぶ毛まで可愛くカメラさんに撮って頂き、録画した物を見て感激しました。やはり自然の美しさにかなう物はないなぁー、スゴイなぁーと再認識しました。後日ご連絡頂き、視聴率もとても良く(8.3%ハチミツだけに!?!やはり8(ハチ)3(ミツ)に縁のある私)大変好評な番組になったとの事。<生中継 23分1本勝負>ちょっと勝利かも!
寒い中がんばって下さったスタッフ皆さまにも大感謝です。もちろん見て下さった方々にも感謝です。

 新年を迎へ とても暖かく静かなお正月でしたが、この2、3日急に寒さが訪れ、この館山でも朝氷が張り、ミツバチ達は休養シーズンとなりました。人間と同じでミツバチも体を休める期間が必要なんです。春に備えしばらくはゆっくりと巣箱の中で”蜂球(ほうきゅう)”と呼ばれるように、まぁーるく体を寄せ合い暖をとり冬越しをします。
初春の館山湾からのぞむ白く雪化粧した富士山が清らかに美しく心新たにさせてくれます。

2009.1.11 れいこ

みなさまに幸せな一年となりますように♡

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